この日、“フィールドワーク(理論)”は、タンザニア・ザンジバルのフィールドワーク参加予定の学生者が集まり、授業が行われていました。冒頭、オリエンテーションが少し行われた後、菊地先生は言いました。 菊地先生「さあ、机を片付けましょう」 学生「??(いきなり何が始まるんだ?)」 菊地先生「熊が出たぞゲームをみなさんにやってもらいます」 学生「(え?)」 菊地先生「みなさん真剣にやってください。これがチームビルディングに関わるメソッドにつながりますから」 学生「(ええっ?)」
そして2チームに分かれ、大騒ぎな中で行われたのが、“熊が出たぞゲーム(伝達ゲーム)”と“輪くぐりチャレンジ(手で作った輪を素早くくぐり抜ける)。 1度やったらそのあとチームで振り返り、さらにどうすれば良い結果を生むか仮説を立て、チームとしての意思決定を行い、再チャレンジ。 『前回よりも良い結果を生むためにはどうすればいいか』 目指すゴールは一つだけれど、そこに至るにはあらゆる方法が考えられます。 それをチームの全員で考え、答えを出し実行。それを複数回繰り返します。
教室は、輪くぐりにかかる時間を0.1秒でも減らそうと大盛り上がり。 ゲームは1チームがどんどんタイムを圧縮し、最短を更新したところで終了! 菊地先生はホワイトボードに、こんなことを言いながら説明を書きました。 「これが昨今のビジネスの現場で用いられるOODAループです。“起業を成功させる”“新規事業を開発する”という場面で用いられます。ザンジバルでも、チームビルディングの成否がフィールドワークの成功の鍵を握ります。 では、勉強していきましょう。このビジネスメソッドOODAはアメリカで生まれ、米国空軍パイロットが提唱した方法です。これからみなさんはザンジバルのフィールドワークを経験するわけですが、そこでもビジネス現場と同じ、現状にあるものから最善の判断を下し、即座に行動を起こしていくことが求められます。そのためにはまずO(Observe)観察、次にO(Orient)仮説構築、D(Decide)意思決定、A(Act)実行というループがあり……(以下講義続く)」
黒板に書かれた理論も文字だけで語られれば学びが字面だけになる可能性もあるところ、いったんそれをシンプルにして誰にでも分かるゲームに落とし込み体感した上で難しい理論が展開されていけば、スッと体に脳にしみ込んでいきます。 “フィールドワーク(理論)”の授業を受けた学生たちも、パーティのように盛り上がったゲームののち、真剣にホワイトボードを眺め、OODAについての理解を深めていたようでした。