桑島優佳(くわしまゆか)さん (2018年卒業) 「今の仕事に就けて本当に幸せです。学科在籍中に経験したことがすべて、今の仕事に生かせています」
◼ 具体的にはどういう仕事をしているのですか?
留学サポートの会社に属し、主に英国の大学&大学院に留学を考えている学生や社会人にカウンセリングを行っています。 自分自身が中学2年生の時のカナダへの留学を皮切りに、大学生活を終えるまで複数回の留学を経験しているので、 より現実に近い&実際の役に立つアドバイスができていると自負しています。
◼ 学科への入学を決めたきっかけが、オープンキャンパスだったとか?
どの大学に進もうかと迷っていた時、オープンキャンパスで学科の田中先生と出逢って、 こんな先生がいるのならと心を動かされたんです。 “熱”を感じたと言えばいいでしょうか。 何回かオープンキャンパスに来て田中先生と親しくなり、先生にこう言われました。 「学科にはチャンスが山ほど転がっている。それを生かすか生かさないかは学生次第です」と。 他の大学も検討してはいたのですが、私の場合はそこに入ったら『何を学べるか』という“中味”で選びたかった。 “自分のやりたいこと”と、“その学科がやっていること”が重なっている部分が大きかったところを基準に選んだら、 明星大学の国際コミュニケーション学科になりました。 大きな理由の一つになったのが“留学先のバリエーションの多さ”。 他大だったら欧米圏が主だったりするのですが、国際コミュニケーション学科は欧米圏はもとより極東からアジア、 フィールドワークに至っては中東の人たちの文化交流からアフリカまで、実に様々なプログラムが用意されていました。 そこがものすごく魅力的でしたね。 そして入学試験もプレゼンテーションが可。 点数だけを競うのではなく、学生本人の意思や情熱を汲み取ってもらえるところも大きなポイントでした。
◼ 最初から今のような仕事に就くとは考えていなかったそうですね。
具体的な未来予想図があったわけではありません。 最初に何か始める動機なんて、結構小さなことだったりするんですよね。 海外に行きたいナと思ったきっかけは『チーズが大好き♡』ですから(笑)。 英語をやるのに「肩肘張ってお勉強!」というよりも、日常生活で自分が実際に使って習得をしていくやり方の方が、少なくとも私には合っていた。 だから日本で『お勉強する』よりも留学先で『英語を使って生活をする』。 トランポリンで遊び、現地のテレビのニュースに耳を傾け、川でボートに乗り、現地の日本人ママ友会に顔を出してお手伝いをする。 そんな“総合的な学び”が、今の自分の下地を作ってくれたと思うんです。 あ、チーズ検定は初志貫徹で、それはそれでちゃんと4年生の時に合格しましたよ(笑)
◼ 学科に入学してからは、どういうプログラムに参加していたのですか?
ルーマニアやイタリアのフィールドワークで参加したり、カナダのヨーク大学には2年生の時に通年留学しました。 私はすでに留学経験が多かったので、その分、それだけ留学してても会話しかできないというのだけは避けたかった。 だから最低限、論文ベースの語学だけは身につけて帰ろうという気持ちで毎日を過ごしました。 現地での毎日はハッピーの連続というわけではありませんが、笑、そんな中で大好きなフィギアの選手・パトリックチャン選手と出会うチャンスがあったりして、そういう出来事を励みに頑張りました。
◼ 在学中にSA(Student Assistant)も経験していますよね?
大学3年生の時にルーマニアのフィールドワークに参加したのですが、その時に、先輩経験者が公費で付き添って行けるSAという立場があることを知り、それは在学中の大きな目標になりました。 来年は、私もSAとして公費で海外に行くぞ、と。 今の仕事に大きく役立っているのは、そのSAをした時の経験です。 『まず自分が動く』 その時に何をすべきかを状況を観察して類推、チームが円滑に動いて行くようにサポートするSAの経験が今の仕事にはものすごく役に立ち、入社して間もない頃にイベント関係の仕事をした時、上司から「新人とは思えない動きをするなあ」といたく感心されました(笑)。 留学経験を重ねていくと、行動パターンが自ずと『人に頼らずに自分で解決する』ようになります。 実際、海外に行けば、いろんな意味で自分で動く必要に迫られます。 たとえ、ホームステイ先にいたとしても、ステイ先にホストマザーと相性が悪かったり、希望するような環境じゃないということが出てくるわけで、そこを解決していくのはまさに自分の力です。 理不尽だなと思ったら、自分から体当たりして環境を変えていく。 常に今の自分にとって何が最優先かを考え続けてるわけです。 何を最優先にすべきかがハッキリすれば、やらねばならぬことも自ずとと見えてくると思っています。
◼ 短期長期含め、桑島さんは留学だけで5回も海外に出ているわけですが、海外で就職しようとは思わなかったんですか?
最初のうちは海外移住も視野に入れ、そう思っていました。 けどニュージーランドで日本人と現地の人のハーフの子などのお世話をしたりするうちに、逆に「日本っていいなぁ」「東京大好きだなぁ」と思うようになってきたんです。 現地に長くいればいるほど、日本の雑誌が恋しくなったり、食べ物や社会環境の良いところがたくさん見えてきたり。 特に通年留学してからは、自分を育ててくれた母校で、後輩に留学アドバイスをできたらいいなと思うようになりました。 一言で留学といっても、実際にしてみて分かることの方が多い。 現地を体感していない人からのアドバイスよりも、実体験を積んだ人からのアドバイスの方が生徒も素直に聞ける。 私の母校は“グローバル”に力を入れているのですが、それも実体験を伴った人が関われば関わるほど、プログラムや仕組みに厚みが出てくると思うんです。 そこに自分はもっと貢献できるのでは?と思っています。 だから、仕事を展開する舞台は私にとっては『日本』でした。
◼ 就職活動はスムーズにうまく行ったんですか?
私の場合は、 1.日本を足場にする 2.これまで身につけてきた英語が使える の二つの条件をもとに、仕事を探しました。 一応、最初の頃の希望通り、航空会社も受けましたが、最終選考で成らず。 で、卒業後は一旦、海外の人たちをお客さんにする店舗(販売職)に進んだのですが、 社内風土と仕組みが合わず、話し合いを重ねたのですが、4ヶ月で辞職しました。 それからまた就職活動をし、今の留学コンシェルジュの仕事に就きました。 今、ですか? あとで分かったことなのですが、どうも外資系企業の文化の方が私の性格にはとても合っているようで、 公私の区別もつけやすいさっぱりした企業風土の中では、毎日が楽しくて仕方がありません。
◼ これから大学を目指す高校生に伝えたいことってありますか?
一番伝えたいのは『やりたいことは叶う』ということ。 私は一人っ子なので、いずれ一人で生きていく必要がある。そのためにはその術を身につける必要があります。 友達に言うと笑われちゃうんですけど、私、老後のこともよく考えるんです。 老後苦労したくない。逆に言うと、その怖さを今へのエネルギーに変えて生きていたい。 内容のない生活をしていたら意味がない。 自分とよく向き合って興味あることがなんなのかをじっくり掘り下げ、その上で大学選びも、表層の条件で決めてしまうのではなく、そこが提供している授業の中味と自分の興味とがどのくらい重なっているかで選ぶ。 そうすれば自然に、自分が今やるべき課題が輪郭を持ってくると思うんです。 夢? やっぱりいずれは長年お世話になった母校で、留学コンシェルジュをやってみたいです。 これまでは自分が海外に送り出される側でしたが、逆の立場になると改善できる点がたくさん見えるんです。 今の会社でたくさんの経験を積んでから、母校に仕事を通じて恩返しをしたい。 やりたいことは叶うと信じて、その日に向かって今を頑張ります!