英国が生み出した劇作家ウィリアム・シェイクスピアは、誰もが知る偉大な詩人。効率的かつ実用的であることが重要視されがちな現代ににおいて、その側面とは逆の『人が生きていく知恵』が詰まったシェイクスピアの言葉は、折々で私たちに様々な人生の奥深さと、含蓄ある指針を示してくれます。 そんなシェイクスピアと共に生き、シェイクスピア研究に半生を捧げてきた住本規子先生の、最後の講義が行われました。
シェイクスピアと出会ったきっかけと、その作品を全人格教育として講義に取り入れていった経緯。研究を続けていく上での気づきから、シェイクスピア作品が私たちに語る叡智まで。住本先生がシェイクスピアと共に歩いてきた時間は、1時間ではとても語り尽くせないものでした。 最終講義には、これまで住本先生にお世話になってきた学生、教員らが列席。住本先生は、シェイクスピアが扱う“人間の心理” という“答えがない世界”を教育に結びつけ、多感な学生たちの心の豊かさを育むために長きに渡り、ご尽力くださいました。
以下、シェイクスピアの名言 ■ 人生は歩く影に過ぎない(人間は、運命に従って行動するだけの、実体は自由意志を持たない影のような存在に過ぎない) ■ ひとつの顔は神が与えてくださった。もう一つの顔は自分で造るのだ(神が与えた顔は、物心ついた時にはすでにあった自分の顔。もう一つの顔は、その後何を積み上げ、何に挑戦&失敗し、成功し、やり抜いてきたかという生き様) ■ 臆病者は本当に死ぬまでに幾度も死ぬが、勇者は一度しか死を経験しない 住本先生、本当にお疲れさまでした。これから歩いていかれる道が、さらにたくさんの花で彩られていますことを。