「僕の場合、ちょうど3年の初めくらいからコロナが始まり、大学の授業は、ほどなくオンラインになりました。正直に言うと……笑 悲観する意味がないと考えれば、むしろ用事がある時には大学に来なくてよくなるから、勉強の時間を自由に取れるという意味で『ラッキー♪』と思いました」。そう話してくれたのは、今4年生で卒業を控えた前田和紗さん。
「オンライン授業ですか? 僕はとてもやりやすかったです。というのも。対面授業だと90分+往復の時間+αを取られる。けどオンラインだったら、自分で時間をきちんと決めてガッツリ集中してやれば、勉強を90分どころか30分で終えられる場合もありました。オンラインになって最初のうちは、資料を自分で読み込んでレポートを書くというやり方だったのですが、それは=時間が自由になったってこと。むしろチャンスですよね。『オンラインで今のうちに単位取れるだけ取っちゃおう!』って思いました、笑。睡眠時間も増えてめちゃ健康的になりました、笑」
多忙なはずの教職授業を履修し、週3回、6時間程度をお弁当の販売バイトに費やし、それで普通ならいっぱいいっぱいになるところ、1年生の終わりには中古車を自分のお金で購入し、1限が終わると、サクッと沼津まで愛車と共にドライブに出かけることもあるという。
「『やりたいことは思いっきりやりなさい』と言われて育ちました。そして『常に本質が何かを考えながら行動しなさい』とも。そこを考えれば、対面授業はできなくなったとしても、大学生の本質は勉強をすることにあるのだから、形式が変わっても問題なし」
「こういう考え方じゃないですか? 目上の人への礼儀作法(上座とか末席とか)はいろいろあれど、その “本質” は『目上の人に失礼にならないよう行動すればいい』ってこと。それと同じで、授業のコロナによる変化も、『大学生の本分は勉強をすることにある』という本質さえブレないようにしていれば、それほど別に影響はないと考えること、できますよね?」
人によっては、対面授業が好き、いやオンライン授業が良い、と、意見も分かれるところ。心配なことはなかったのか、やってみた結果、どういう授業形態がいいと感じたか。そのあたり、前田さん的にはどうですか?と聞いてみると……。
「不安だったことといえば、それこそ、コロナ初期の頃、内容にわからない部分があっても、先生に質問できる仕組みが整ってなかったってことかな。教員免許を取るのに、わからないことをそのままにしてはいけないよなあというプレッシャーを感じながら勉強していたので、そこは不安だったのですが、今はオンラインで質問できる仕組みも整いましたから、もう問題ないです」
「理想的な授業形態? 結論から言うと、僕はハイブリッドが一番いいんではないかと思います。もともと100人単位で行われていた授業はオンラインが便利だし、でも “重さのある人間関係” が育まれていた&もともと面識があるゼミのメンバー20名くらいとは、対面が楽しかったりする。いいとこどりをしようとするなら、やはりハイブリッドになりますよね」
学科の風土が肌に合ったと話してくれた前田さんは、学科をこんな言葉で評価してくれました。
「途中の道はなんであれ、要は結果にたどり着けばいいから頑張ろうよ、という姿勢を貫いてくれている学科だと思います。細かく気にすれば、形式、様式、さまざまにつまづくことがありますが、そこをいちいち気にしていたら、本質に辿り着けない。少なくとも僕は『とにかく行動して、結果にたどり着けばいい、その途中はどの道を行こうが自由でいいよ』としてくれた教育方針は、ありがたかったな」
「100人規模の一般教養の授業はともあれ、ゼミは20人程度で似たようなことを目指している仲間が集まるのでとても楽しい。人と関わるのが好き、そしていろんなことを形式&様式にとらわれずに自由にやってみたいって人が、この学科は向いていると思います」
「コロナだから “できない” じゃなく、コロナだから “できる” こともたくさんあった。それをみなさんに知ってもらえたらと思います。時間効率からいくと、現在の方が圧倒的にいろんなことが同時進行でできるようになったわけですから!」