今回上映された映画『生きる』は、東日本大震災で84名の犠牲者が出た大川小学校を舞台にしたドキュメンタリー。避難方法や組織的ルールが命運を分けたこの出来事は、その後、児童を亡くした保護者たちがによって訴訟となり、2019年に学校側の組織的過失が最高裁によって認められました。

「観るたびにいろんなことを考えさせられる映画です。この事件が自然災害ではなく人災であったこと、また裁判を通じて行政の「組織的過失」が認められたこと、それらを広く多くの人に知ってもらえたら」と願う学科の菊池哲佳先生とゼミ生の気持ちが結実したイベントでした。3日めの上映会後には、寺田監督や児童のご遺族の方も参加してのトークセッションが行われ、報道からだけでは分からない“出来事の裏側” をたくさん知ることができました。
様々な事情が絡み、なかなか上映箇所も限られる映画ゆえ、監督した寺田和弘さんから頂いたサインの文字には『小さな声を(市井に)届ける』という信念がしたためられていたほど。そのくらい貴重な映画を上映させて頂けたことは、学科としても本当に光栄でした。51名もの足を運んでくださった方たちに心より感謝申し上げます。

「とても複雑な気持ちで見て、たくさんのことを考えました」「まだ親になったことがないから分からないけど、その悲しみは想像してもしきれない」「鑑賞後、なんとも言葉が出てこない心境になりました」とはイベントに参加した学生たちの感想。
菊池先生は明星大学に来られる前に、仙台市で勤務されていました。そこで培った人脈ゆえの今回のオリジナル企画。キャンパスを超えたリアルな世界の出会いは、学生たちの世界をグッと広げてくれました。今後、学生たちはさらに知見を深めるために、12月には実際の宮城県石巻市の大川小学校をフィールドワークとして訪問します。

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東京周辺でもこれまでに見たことのない数の外国人が溢れかえっている昨今。学科の菊池先生は『多文化社会の防災』について真剣に取り組んでいます。今後は、災害が起きたとき、自分が助けられ、助けるのは、もしかしたら英語で話す相手かもしれない。そんな時代を見越して先生が企画してくれた『英語で学べる救命サポート講習』も好評のうちに無事終了!

講師は、東京防災救急協会からいらしてくださったグレインジャー・パトリックさん。16名の参加者とともに、“英語で” 心肺蘇生やAEDの使い方を学び、訓練後は英語&日本語で活発な議論が交わされる、学科らしいイベントとなりました。
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災害の多い日本における防災×国際コミュニケーション=多文化防災@国内。そういう時代はすぐ目の前。国内現場における多文化防災に興味ある人は、ぜひ菊池先生のゼミを訪ねてくださいね!

