“ 自分たちが生きる世界が、今日より明日、少しでも良くなっていたらいいな ” “ 人間の活動が少しでも地球とって優しいものになっていけばいいな ”
そんな願いを生活空間の中に落とし込んで、授業として学べるのが毛利ゼミ。
「僕自身はこのゼミに入るまで、“ 社会的弱者” を意識もしたこともなかったし、SDGsにもそれほど関心がなかったんです。普通に暮らしていたら気づかなかったことが、このゼミをきっかけに見えるようになり、社会を視る見方が深まった気がします」
そう話してくれたのは、フェアトレード長をやっている4年生の前田さん。

「授業で学んでからというもの、コンビニ&スーパーに行っても、つい商品パッケージの裏側を見るようになりました。そうすると、フェアトレードマークがついている商品がたくさん見つかる。お金と引き換えにモノを買うなら、多少割高になっても、児童労働などで誰かを犠牲にしながら生産性を上げている企業より、社会的倫理をきちんと守ってフェアな商いをしている企業から買った方が、僕たちの世界は少しずつ良くなる。それを知ってから、自分の行動が少し変わりました」
授業が単なる教室内で終わらず、生活に直結する視点までつながっていくのが学科の授業。フェアトレードの普及活動を一緒にしている勝亦さんも、生活上での意識が高まったのだそう。
「小さなことなのですが、サランラップを使わなくなりました。お洋服を買う時にも、素材が書かれているラベルを見るようになり、その奥に児童労働が隠れていないか、想像力を働かせて考えるようになりました。少なくとも自分の日常的な行動が、社会そして地球を助けることにつながって欲しい。毛利ゼミの授業のおかげで、ニュースが以前とは一味も二味も違って読み取れます」
今年は学食での「フェアトレード・カフェ」が開催できなかったため、自分たちが学んだことをチームに分かれてweb動画にまとめている真っ最中。
「このイラストで、SDGsに関係してくるモノ、どれだと思いますか? ほぼ全てが関わっているのですが、たとえばこのサッカーボールに限っていえば、製品によっては児童労働が関わっていることがあります。フェアトレードマークはいろいろな商品についています」


SDGsやフェアトレードマーク。その気になれば、自分1人で学べるかもしれない内容でもありますが、あえてゼミで同級生と学んで、よかったと思うことは?
「一言で言うと【考え方が独りよがりにならない】ってことです。ゼミというコミュニティの存在意義は、一つのテーマについて、複数の見方が存在することを学べるということ。毎回授業の終わりにLMS(学習管理システム)に自分の考えをまとめてレポートにして送るのですが、そこにゼミの仲間達が彼らの意見を書き込んできてくれる。これが非常に刺激的で勉強になるんです!」
「同じ現象を見ても自分とは真逆のことを考える人だっている。なぜ?なに?どうして?を追求する面白さが分かったのは、ゼミがディベート重視の授業で、LMSを通じて共感や異論がテキストとして見える化されているからだと思います」
「【1つの情報(テーマ)を全員でいろんな視点で発展させていく】→すると【自分の見ている世界にも厚みが生まれる】。世界の見方が彩に満ちたものに変わっていくんですね」

楽しそうに、フェアトレードマークのことや、今製作中のweb動画について話をしてくれた2人。
『授業を通して、地球の明日をよくしていける自分になる!』
大きな理想を叶える小さな活動、毛利ゼミの授業にたくさん詰まっています。