春の足音に鳥たちもさえずり始めた3月半ば、爽やかな青空に包まれた日。
田中ゼミの有志で『海外が遠い今だから、日本を知ろうよ』と、千葉県の君津市西日笠で里山フィールドワーク(課外活動)を行いました。
ビルに囲まれた世界から車で2時間。出迎えてくれたのは、八百万の神が宿っていそうなトトロの森と、築150年の古民家。
卒業旅行も難しい今、予定通りに学科が得意とする “フィールド” を訪れることが叶わなかった学生さんたちに何かしてあげられることはないか。そう考えた学科の先生が、たまたま縁あった房総の里山に学生さんたちを案内し、海外の異文化の代わりに国内の異文化を味わってみようよ、と今回のイベント開催となりました。
里山文化をよく知る地元の人々の大歓迎を受け、まず始めたのは竹林整備。
人口減少のあおりを受け人の手が入らなくなった竹林を、地元の方々にやり方を教えてもらいながら、学科の学生さんと先生達とで力を合わせて、きれいに整えていきました。
環境の整備に貢献した後のご褒美は、落ち葉で焼いた焼き芋と、切り出したばかりの青竹で炊いた筍ご飯。
学科メンバーを受け入れるのに地元の方たちも様々な準備をしてくださり、夜は東京では滅多に見なくなった “どんど焼き“ までご用意くださいました。
「普段は世田谷に住んでるから、今回のチャンスを逃したら一生山へ来るって体験はしないだろうなと思って、勇気出してきました」
「落ち葉で焼き芋を焼くなんて、初めての体験です。というか。目に入るもの全てが初めての体験です」
「ちょっと動いただけなのに、こんなに汗をかいてしまいました。普段の生活ではそんなに動かないからなあ、笑」
「薪割りも、今回が初めての体験です!上手に割れると気持ちいい」
地元の森の匠がチェーンソーで作ってくれたのは、大流行のスウェーデントウチ。
天高く炎が上がる“どんど焼き“の傍で、夕闇を優しい炎で温めてくれました。
江戸時代末期創建という古民家で一晩を過ごしたあとは、地元の方が差し入れてくださった地域野菜のおみおつけを蒔絵木椀で堪能。
気持ちの良い晴天の中、あとは川へ降りる小径の整備をしたり、土からひょっこり顔を出していたフキノトウを摘んだり。
「東京からこんなにも近いところなのに、まだまだ知らないところがたくさんあるんですね」
「 2日間、“非日常” を味わうことができてとても楽しかったです」
教員やスタッフとの距離が近く、温かな関係を築ける明星大学国際コミュニケーション学科。
今回受け入れてくださった里山集落の人々も一緒に、これから卒業される学生さんたちの、明星大学国際コミュニケーション学科での記憶の1ページになれたなら、“フィールド” を重視する学科としてはうれしい限りです。