少子化が続く日本。外資系企業の人事課スタッフの話によれば「一時的にコロナの影響はあったにせよ、遠く日本の将来を見渡せば、競争力のある企業ほど、隣にいる人が異国籍、むしろ上司が日本人でないというケースも多々出てくるだろう」と言われています。
日本国内にだけいれば分からない、物事の進め方。これまでの日本では、ボスが決めたことはほぼ絶対。たとえ異論があったとしても、それは“これまでやってきたやり方だから”ということで、その方法を受け入れ、上司に従ってことを進めるのが良しとされてきましたが、一緒に働くチームが多国籍軍となってくれば、それは通用しません。
ではどうするか。物事(もしくは解決課題)を洗いざらい一つのテーブルの上に出しあい、チームメンバー全員でディスカッション→課題認識をチームで共有し、話し合いの上にルールを決め、全員で力を合わせて課題をクリアしていく、というステップを辿ることになります。
時代がいずれそうなっていくのだから、学生の今のうちから練習しておこうよ!というのが、この『サマースクール』の授業。
(※明星サマースクールとは、学科の学生と海外からやってくる国際ボランティアが、大学の地元(八王子&日野)の子どもたちに、無償で英語を教えるプログラムです)
- STEP 1
サマースクールを開催するにあたり、これまでの経験から実際にやると起きるだろうと予測される困った事例(課題)が書かれた紙が、教員から各チームに配られます。
- STEP 2
想像力を張り巡らせ、その事例(課題)を映像としてシミュレーションします。そしてそれをチームのメンバーに伝え、全員で状況把握→そこからその状況の問題点をあぶり出し、それぞれのチームメンバーがどのように考えを議論します。
- STEP 3
どうすればそのような困った状況が課題解決に至るのかを話し合います。チームメンバーのそれぞれがテーブルの上に自分の考え方を出し、相手の考え方にも耳を傾けるうちに、自ずとチームとしての解決方法が導びき出されます。
担当の川又先生はこんな言葉を続けます。
「これを、Working Agreement(作業における合意形成)と言います。多国籍軍がチームで一緒に動くとなると、各自全く違う“常識”を持ち寄っているわけですから、まずそのチームメンバー同士での“常識” のすり合わせが必要になります。Working Agreement(作業における合意形成)しっかりできたチームは一枚岩になることができ、素晴らしいパフォーマンスをあげることができます。労働環境が多国籍軍になるかもしれない時代を見据え、今この国際コミュニケーション学科で、学生のうちにチームワークコミュニケーションの極意を知ってもらえたらというのが、この授業の目的です」
実社会で、1人だけの力で達成される仕事は少ない。卒業する学生の皆さんのほとんどが、企業内でチームとして仕事をこなしていくことになる。その時に、どうすれば最大パフォーマンスをあげることができるか。の、練習を今から。
「大学でアカデミックな勉強をすることも非常に大切ですが、実社会に出る手前の機関として、実社会に直結する練習を日々重ねておくことも非常に大切だと考えています」
川又先生の言葉通り、実際に卒業生からはこんなメッセージも。
「サマースクールの授業を履修していたおかげで、教員になってからの仕事のやり方にとまどうことがなかったです」
「外資系に入ってみたら、本当にチーム内のディスカッションが仕事の根幹になるという場面がよくあり、学科で学んできた自分の意見を言える姿勢がとても役に立ってます」
サマースクール、今年は2年ぶりに対面でのプログラムが実現!準備を始めた学生たちも、徐々に熱気を帯びてきたところです。