【論題。日本は国政選挙にジェンダー・クオータ制を導入すべきである。是か非か】
授業の開始とともに、戦いの火蓋が切られた毛利先生の授業 “グローバル研究2”。とはいっても、平和な論戦(ディベート)、笑。
前期の授業では、先生からテーマについての詳細講義を受けた後、数名ごとのチームに分かれ、どのチームも肯定側と比定側の両方の立場で論戦を張り、ディベートトーナメントを行いました。
この時大切なのは、個人的な立場はとりあえず関係なく、
- テーマについてチーム全員で考え抜き、ちゃんと調べているか。
- 決められた時間内に、オーディエンス(聴衆)を説得できる材料を提示→納得のいく説明ができているか。など。
ディベートは、別の言葉で言うならいわば “知性の運動会”。
高校までは教科書を基に、各ジャンルの先生が『A+B=C』という基本知識を生徒に教えてくれたわけですが、大学の授業内容はさらにジャンプアップ。
毛利先生の授業では、『そもそもその答えが本当に正しいのか』の検証に始まり、『よく考えれば、今までの答えはCだったけれど、今後の社会はDになる可能性もあるのではないか』という発展系の社会課題をテーマとし、その検証を学生自らが行い、現状データを持ってクラスのみんなに発表する、というスタイル。
要は答えがCであれDであれ、その考え方をどうやって示せば、第三者にが腹落ちするのか、そこをディベートで競い合います。
前期最後の今日は、そのトーナメントの決勝戦。さすがの強豪同士、テーマの調べ上げ方と、相手の論理へのジャブの強さが違います。
導入すべき派 VS 導入すべきでない派。
話の内容だけではなく、相手チームに突っ込まれた時のチームの結束力、そして相手への反論&反駁の仕方、話術も含めて、ジャッジ(審判)はじっと考え、どちらのチームにより説得力があったかを最終投票!
結果は……。全員が司会者を見守る中、司会者から。
「今回の決勝戦は、ジェンダー・クオータ制を導入すべきでない、を主張した否定側の勝ち、となりました」
そこでSA(Student Assistant)も講評を。
毛利先生も最後に講評してくれました。
「激戦でしたね。理想ではこうなったらいいという部分はもちろん高く評価されるべきなのですが、一つ、見落としてはいけないのが、『その考えを実行するためのハードル』、要は実現可能性です。理想はどれだけ高くても可能性が低ければそれこそ絵に描いた餅ですから、ジェンダー・クオーター制を導入すべき派はそのハードルの越え方まで考えを巡らせていれば、もっと説得力が上がりましたね」
これまで政治や社会に無関心だった学生さんも、思わず身を乗り出して聞いてしまうディベート授業。相手の考え方によく耳を済ませていると、自分の考え方が見えてきます。
ヒトの考え方は十人十色でも、社会に出てからはチーム単位で目標設定をして動く機会も増えます。
そういう意味では、毛利先生の “グローバル研究2”のディベート授業は、組織内の意思決定のシミュレーションの訓練も担っているともいえますね。
両チームとも、本当におつかれさまでした!