実は日本は世界有数の災害多発国であることは、あまり知られていない。世界の国土面積のわずか0.25%でありながら、マグニチュード6以上の地震の約2割が日本で起きています。そして少子化がかつてないスピードで進行する日本での外国人住民比率は、日本全体で住民の33人に1人、比率が高い埼玉県川口市は約10人に1人が外国人。過去最高比率を更新し続けている中、彼らに対する災害時の行政の対応は実は追いついていません。

そこで多文化共生を目指す学科として新しくスタートさせたのが、“多文化防災” フィールドワーク。初回は東日本大震災の現場に足を運び、石巻市の震災遺構大川小学校、原発事故で多大な被害を受けた双葉町、東北大学災害科学国際研究所を訪問して、リアルな生の声に耳を傾けました。そして仙台観光国際協会が災害時に外国人でも情報をキャッチできるよう、多言語発信を始めた取り組みを視察。

また多摩地域における多文化防災の一環として、日野市国際交流協会と組んでの防災訓練を実施したり、近隣の日本語学校で学ぶ留学生に防災研修を行うなど、情報弱者になりがちな外国人への対応をどうすれば良いかを考える企画を、学生と一緒に進めています。

「このフィールドワークは、災害を共に乗り越えるための『関係性』を相手と育む実践です。最初は『外国人のための特別な防災』として考えていたのですが、『誰もが災害時には困難直面する』という前提で、防災の在り方を考えられるようになりました。災害に直面するかもしれないすべての人を包み込むユニバーサルな視点が得られることが、このフィールドワークの特徴です。日頃から社会で “リアルなつながり”を作っておくことの大切さを学びました」


