ジャンベ奏者モフランさんの太鼓の音が学食に響き渡ると、場の空気は一気にアフリカに。
集まってくれた人々が、リズムに体を任せるのを満足げに眺めながら、撮影を担当するOくんは、一眼レフを持って走り回る。「僕は、フィールドワークの授業でタンザニアのザンジバル島を訪れました」「そこで、僕のアフリカ感は180度変わったんです。決して裕福とは言えない状況の中で、日々を明るく楽しく暮らす人々に触れ、幸せってなんだろう? と」「彼らに教えられたことを、同じ大学の人たちに知ってもらえたらと思い、今日を迎えました」
大学内のカフェに交渉し、自分たちで考えた企画を売り込んで、通常営業にプラスαする形で、アフリカのメニューを出す“期間限定のアフリカフェ”。通常メニューに、ザンジバル風チキンピラウやカチュンバリ(サラダ)、チャイ(お茶)など特別メニューを加える形で、一般販売することになりました。
紙の上での立案から、実際に仕入れ→仕込み→宣伝をして→販売するところまで、学生自らが自主管理。もちろん本物の金銭授受があるので、気持ちは完全に「オレ達、期間限定の起業家じゃん!!」
“アフリカフェ”のことは口コミでも評判は伝わり、日々売り上げは上昇しました。そのトリの日に、モフランさんの登場。太鼓の音がヒートアップするにつれ、熱気を帯びる会場。
汗だくになりながら踊るのも、また授業。そしてこれは同時に、実現まで積み重ねた地道な努力の結果。
Oくんは清々しい表情で言いました。「気持ちいいです!やり切ったって感じ。店、自分でやってみたくなりました!」